クイズの時間
「ファイナルアンサー?」
意地悪く微笑むみのもんたの前で、桂木は真剣に考えていた。
間違いない。答えはゴールド・ラッシュだ。ああ、間違いないとも。
これが正解だったら一千万円なんだ。借金も返せる。妻ともよりを
戻せる。絶対だ。絶対だ。
「ファイナルアンサーで」
「答えは、Dのゴールド・ラッシュでいいんですね?」
「はい!」
沈黙が降りる。会場の視線が突き刺さる。神よ。神よ、
俺を救うんだ。
みのもんたは不敵な笑みを浮かべ、言い放った。
「ざ・ん・ね・ん!」
終わった……。ふーっと会場からため息が漏れる。
桂木の最後の記憶はそれだった。次の瞬間には、みのもんた
の放った銃弾が、桂木の頭を打ちぬいていた。